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うな細かい内容を、お互いに連絡ノートを活用して使用することによって、その患者さんの生活背景(社会背景)がかなりはっきり見えてくる。そうすることによって初めて、その個人個人の資質に合った教育が提供できるのではないかということです。
実際にそういうことを行っている医療施設が福島県にはあります。そこではこういったノートを活用しているそうです。病院に入院している患者さんの場合、その患者さん個人の連絡ノートというのがあって、そのノートはカルテや看護記録とは違いますので、ほかの医療従事者も見ることができる。それを活用することによって同じ質問を何度もしないですむ。私たちも反省しなければならないのですが、それぞれの職種の人たちが何度も同じ質問ばかりする、たとえば栄養指導を1時間受けるうちに、患者さんの生まれはどこで、どうのこうのという細かいことを聞いている時間は、すごく非生産的な時間になりますから、そういうノートを活用することによって、事前に読んでおけば、その患者さんかどういう生活をしているか、あるいはその患者さんのライフスケジュールというのを把握しておくことなどは、とくに栄養指導では重要なポイントになるかと思います。実際、病院に入院しているときは病院で出ている食事を摂取すればいいという形になりますが、退院して会社勤めをしている、あるいは自営業をしている、食事時間が不規則だといったような情報は、事前に聴取しておかなければその場で適切な指導はできないわけですから、そういったノートの活用はたいへん有効ではないかと思います。
次に、他職種へ専門知識を適宜流すということです。たとえば医療費や医薬品情報等の情報は、たとえ栄養士であっても、こういう血糖降下薬が出てきて、その薬の一番効くピークの時間帯はこのくらいだとか、あるいは健康運動指導土なら、この人はインスリンの注射を足に打って

 

 

 

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